米が炊けるまでの話
マルボロマンとアミー

2月24日(月)、ねじまき雲の夜です。

 

 

国分寺は国分寺のくせに洒落た喫茶店が多い。

そんな言い方すると国分寺に胸ぐらを掴まれそうだ。

 

 

長いこと同じ町に住んでいると、その町の顔がふと浮かぶようになる。

顔だけではない。手も足も、髪型も服装も。ようするに、町を擬人化できるようになる。

もう国分寺に住んで15年目の私の中では、国分寺の面構えはファーゴに出てくるマルボロマン。

であるから胸ぐらを掴まれたらもうおしまいだ。

 

 

というわけで言い直す。

国分寺は流石と言うべきか、洒落た喫茶店が多い。

 

 

ここ数年でできたもの、昔からずっとあるもの。

高台で厚切りトースト、ネオン街でミルフィーユ、離れでオムライス、裏路地でジャズ。

それぞれその場所にあったメニューと空間でこの町に吹く風にコクを添えている。

 

 

町が街になりつつあるポスト町状態のこの町にはそれゆえ消えていった名店もある。

駅前の都市開発によって粉々に吹っ飛ばされた喫茶店、アミーがそうだ。

 

 

パチンコ屋の二階にあり夏の冷房は身も凍るような温度設定だったが

そんなもの2回目から上着を持って行けば簡単に解決できるし問題の内ではない。

 

 

喫茶店らしい喫茶店の佇まい。カウンターでタバコも売っている。

棚には誰もが知っていて誰もが知らない漫画や雑誌で埋め尽くされ、奥の角の席には古いマッキントッシュが一台。

ネドリーはほぼ毎日ここに座り、インジェン社をはじめとする大企業をハッキングしていたとか。

アイスココアは多摩地区で一番舌触りが良かったし、居心地は都内で一番よかった。

 

 

アミーが女性だったらきっとロングコートとヒールが似合うし、首筋から普通の女性の二倍甘い匂いがする。

魅力的な反面、危険な女でもあるだろう。

 

 

だからってマルボロマンよ、なにも彼女を殺すことはなかっただろう。

 

 

 

おやすみ日本

 

 

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客船ナポリタン

2月18日(火)、レオレオニの夜です。

 

 

たまにロージナ茶房という喫茶店に行く。

行くときは月に数回行くし、行かない時は半年以上行かない。

国立駅のすぐそばにある、やたら味のある喫茶店だ。

 

 

二階席がとても広い。広いというか長い。

アンティーク調の照明や椅子、絵画やら何やら相まって

まるで客船の中にいるかのような気分になる。

 

 

それに私がいつも頼むナポリタンは銀色の貝殻のお皿に入って出てくるので、

ここのコンセプトは下手したらほんとに船なのかもしれない。

 

 

そして、とても量が多い。

大学が近いので、食べ盛りの学生向けなのだろうかと最初は思った。

しかしもうかれこれ10年ほど前から通っているが、平均年齢は結構上のような気がする。

杖を使って階段を上がってくる方もいるし、

8名以上の団体席をよく使っているのもお年寄りが多い。

 

 

その代わり、ウェイターは軒並み女子大生のような方々であるから、一橋の学生さんだったり、

美大生だったりするのだろう。

というのも、私の先輩に画家がいるが彼女も昔働いていたとか。

おそらく好みは真っ二つに分断されるが、好きな人は長らく通うことになる。

 

つまり杖を使って階段を上がってくるご老人も

私ぐらいの年から、いやもっと前から通っているのかもしれない。

 

 

国立に来るともうひとつ寄る場所がある。

ロージナ茶房のすぐそばの、小さな文房具屋だ。

名前はいつも忘れてしまうがなんだか寄りたくなる佇まいのお店。

世界堂にもロフトにもなかったとあるメーカーのボールペンのダークグレーがちゃっかり売ってたりもする。

 

 

先日ここでスイミーの一筆箋を買った。

請求書に添えるには少しフランク過ぎるかもしれないが、

なにか海とかサカナ系の仕事が入ったら使えるかしら。

 

 

打ち合わせはあの客船で決まりだ。

 

 

 

おやすみ日本

 

 

 

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悪魔と眠る朝

2月17日(月)、ウルフマンポマードの夜です。

 

昨夜は徹夜だった。

納品が重なり、データを作っていたら朝が来た。

たまにはそんな日もある。

 

そのままお風呂に入って眠ればいいものを、そんな日には一旦自転車で出かける事にしている。

一度朝の風に当たり、仕事モードのスイッチを切りに行く。

 

お腹が空いていればすき家に寄って鮭朝食を食べる。

とてもお腹が空いていれば、味噌汁を豚汁に変更してもらう。

 

朝5時のすき家にはカップルと綺麗な爪のキャバ嬢とサラリーマンがいる。

カップルは大きめのパーカーを着ている。サラリーマンは河野防衛大臣のツイートを見ている。

綺麗な爪のキャバ嬢は朝食セットと別でカレーも頼んでいる。

私はさっさと鮭朝食を食べてお会計を済ませる。

これで私のスイッチはオフに。

 

 

家に帰ると玄関先で聞かれる。

 

「おかえり。お風呂にする?それとも私?」

 

私は後者を選び、睡魔と共にふとんに入る。

 

 

 

おやすみ日本

 

 

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