米が炊けるまでの話
ハイコンテクストデイ

12月9日(日)、P502iの夜です。

 

 

先日、13時半過ぎでしたかね。

ご存知の方も多いと思いますが、SBの電波障害が起こりました。

 

 

新宿にいたのですが、なんとなしにポケットからスマホを取り出すと圏外。

懐からWiFiを取り出すとこれも圏外。

 

 

勿論、この時は電波障害が起きているとはまだ知らないわけです。

まあこういう事もたまにはあるだろうと、とりあえず昼食を取りに定食屋に入りました。

 

 

店内を見渡すと、お客さんはみんな普通にスマホをいじってるんですね。

そこで自分の電波を再確認すると、やはり圏外。

ではこれは私の携帯だけの問題なのかしら、と思うわけです。

 

 

料金は引き落としですから未払いはあり得ない。落としてもいないし踏んでもいないし水没もなし。

愛犬のジョージが噛んだりしたのかとも思いましたが、私に愛犬のジョージなどいない。

言っても三ヶ月ほど前に買ったiPhone。ほぼ新品です。とにかく故障だと意味がわからないわけです。

 

 

なんなんでしょう?なんて顔して店員さんを見ると、

ご注文はなんなんでしょう?みたいな顔をされるわけです。

 

 

「唐揚げ定食で」

 

 

とりあえずお腹が満たされれば、電波も満たされるだろうという

意味不明の希望の元食べ始めましたが、

食べ終わってもお会計をしても店の外に出ても電波は戻りません。

はてどうしたもんかいのぅと、このへんで少し困ってくるわけです。

 

 

とにかく電話もかけられませんし、メールも打てない。なんにもできない薄い板です。

このままでは仕事にもプライベートにも支障をきたします。

 

 

ふと前方に大きな電気屋が見えたので、そちらへ行くことにしました。

すると店内に入るや否や、ああ、この圏外は私だけではない、

というのをまだ聞いてもいないのに感じるんですね。

 

 

まさに肌で感じるということでしょう。店内の空気が音もなくどよめいているわけです。

 

 

「あのー、いつ頃復旧するかわかります?」

 

「ちょっとわからないですね」

 

 

私に負けじと店員さんも困り顔です。すると他の店員さんが寄ってきて言いました。

 

 

「これは新宿エリアの障害なんで、新宿から離れてください。そうすれば電波は戻ります」

 

 

これは思わぬ朗報でした。もう自宅へ戻るだけなので必然的に新宿から離れるわけです。

ゆったり電車に揺られながら、国分寺へと戻りました。そしてスマホを見ると

 

 

 

圏外

 

 

 

これはもうね、あんちくしょう嘘つきやがったな!じゃないんですね。

なんかこう、デジタルパンデミックが起きたぞみたいな恐怖があるわけです。

ひとまず駅ビルの電気屋に向かいました。

 

 

 

もうiPhone片手に「あのー...」というだけで「ちょっとまだわからなくてですね」

と、店員さんに通じるわけです。

 

 

 

そういえば帰りの車内の中でも、

普段はありえないコミュニケーションを何回か目にしました。

 

 

 

私はたまたま打ち合わせもメールのやり取りも電波が復旧した後だったので

こんな呑気な事が言えるのかもしれませんが、

圏外になる事で逆に人間同士が繋がる事もあるんだなと思ったりなんかしたわけです。

 

 

 

おやすみ日本

 

 

 

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シンカー論

11月27日(火)、高津臣吾の夜です。

 

 

今晩はオーケーでお肉ともやしを買いました。

袋は有料です。利用するような量でもない。

 

 

豚もも切り落としの入ったトレーともやしの袋を、

セカンドバッグのように抱えて帰ってきました。

昔のプロ野球選手を思い出しますね。

 

 

スーパーの袋が有料化になり、世間を賑わせてからどれくらい経つでしょうか。

今度はコンビニの袋が有料化になるとのニュースが世間を賑わせています。

 

 

 

今無料でも、これから有料になるもの。

今有料でも、これから無料になるもの。

それぞれきっとありましょう。

 

 

地球とは変化球です。

私たちはそこで生きるのですから、

日々とは変化の連続でありましょう。

 

 

「おいしいおいしい新発売のウィンナー、

 試食はどうですかぁー?今なら試食料、たったの200円でーす!」

 

 

米が炊けました。今日は豚肉ともやし炒めです。

 

 

 

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ロングタイムクエスチョン

11月25日(日)、ラズミーヒンの夜です。

 

 

 

つい先日、道を歩いていると一人の名前が頭に浮かびました。

彼の名はスビドリガイロフ。はて、どなただったかしら。

 

 

 

しかしそんな名の男が電話帳に入っているはずもない。

彼はググれば必ず出てくると思い、手持ちのiPhoneで検索しました。

 

 

 

スビドリガイロフ。彼はドストエフスキーの長編小説「罪と罰」に出てくるキャラクターの一人でした。

罪と罰。読んだことがありますか。上下巻合わせて、タウンページ程の厚さがあります。

そしてロシアの大文豪、ドストエフスキーの小説という事もあり、なんだか難しそうな気もしますよね。

 

 

 

私もきっかけがなかったら読まなかったでしょう。

私がこの本を最初に読んだのは、病院のベッドの上でした。

10数年前、色々あって新宿で倒れ、救急車で運ばれた若松河田の医療センターに10日程入院していたことがありました。

 

 

 

その時、友人がお見舞いに持ってきてくれたのがこの罪と罰という小説だったのです。

しかも、どういうわけだか下巻だけなんですね。

なぜ友人がこの本を選んだのか謎ではありましたが、とにかくこのズンと重たい本を開くと、

何の気なしに読み始めたわけです。

 

 

 

その後上巻も読んだので、冒頭だけ50文字で説明します。

主人公のラスコーリニコフという青年。この神経質な青年が高利貸しのばあさまを殺すところから始まります。

 

 

 

ひぃ、なんてひでぇ話だと思うわけですが、ぐっとこらえて読んでいくと、

しだいにこの世界に引き込まれていくのです。

 

 

 

とにかくロシア人というのは回りくどいので、一言で言えるのに一行使ったりなんかするわけですが、

これは言い換えればとても描写が緻密で状況がわかりやすく、臨場感があるわけですね。

とにかく読みやすく、面白いのです。

 

 

 

そのうちこれは壮大なエンターテインメント小説である事がわかってきます。

勿論話は暗いのですが、暗い部屋にキャンドルを灯したような、そんな豊かな暗さが続くのです。

まるで読者を飽きさせないのです。その厚さで敬遠されている方は、一度読んでみる事をおすすめします。

 

 

 

それでです、このスビドリガイロフという男を調べたおかげで、

ネット上にあらゆる情報が現れるわけですが、とあるサイトにこのように書かれていました。

 

 

 

ドストエフスキーはエンジンがかかるのが遅いので、彼の小説は下巻から読んでも問題ない、と。

 

 

 

長い謎が解けた瞬間でした。

 

 

 

米が炊けました。

今日はキムチスープにエリンギとアスパラ、豚肉の炒め物です。

 

 

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幻の担々麺

11月24日(土)、丸山珈琲の夜です。

 

 

 

キッチンとこの部屋の仕切りに、2メートル程の高さの暖簾を付けました。

エアコンをつけると、この仕切りを境にこの家は北半球と南半球に分断されたかのようです。

 

 

 

随分寒くなってまいりました。

まもなく木枯らし一号も吹くとか吹かないとか。

昨年、東京で木枯らし一号が吹いたのは10月30日だそうですから、

今年は随分とゆっくりなようですね。

今年もその時期に吹いていれば、あるいは渋谷の交差点のトラックが若者にひっくり返されることも、

薄着のコスプレナースがお尻を触られることもなかったのかもしれません。

 

 

 

先日、Iさんにランチに誘われました。

Iさんとは、よくランチに行くのです。Iさんが何者なのかは、ここには明記しません。

FBIかもしれませんし、CIAかもしれませんし、ICPOかもしれません。

 

 

 

 

「何食べます?」と聞かれたので、即答で「ラーメンにしましょう」と言いました。

前々前回ぐらいの記事に書きましたが、私はこの秋、色々なものを卒業し、

そのなかのひとつがラーメンでした。

 

 

 

ただしこのラーメンの卒業にはひとつルールを付け、

一人ラーメンは禁止であるが誰かと行くのは可、としたのです。

もともとラーメンが好き過ぎて禁止してるわけですから、こういう時は絶好の機会なわけです。

 

 

 

「近くに担々麺の美味しいところがありますから、そこにしましょう」

 

 

 

Iさんに着いて行く事5分。ラーメン屋に着きました。

ところが、席についてメニューを開くと、その担々麺がないんですね。

うーん、と店内を見渡すと「オススメ 汁なし担々麺」の張り紙を見つけました。

 

 

「あ、汁なし担々麺はあるみたいですよ」

 

「いや、でもね、ここは担々麺が美味しいんですよ。ゴマたっぷりの。

 濃厚でしてね。うーん、でもない。おかしいなぁ」

 

「じゃあ、この汁なし担々麺を、汁ありに変えてもらったりできませんかね?」

 

「それでいきましょう」

 

 

手を挙げると店員さんが来ました。中国の方のようで、どこまで伝わっているか不安を残しました。

最後、無料の半ライスを付けますかと聞かれましたが、

まんぷくになって眠くなっても困るので断りました。

 

 

 

程なくして、担々麺と半ライスが来ました。

ゴマはなく、さっぱりめの担々麺でした。

 

 

 

お店を出ると、Iさんが言いました。

 

 

「なんか、ぬるかったですね」

 

 

 

木枯らしが吹く前で助かりました。

 

 

 

米が炊けました。今日はキムチ鍋です。

 

 

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誘惑

11月20日(火)、ポリフェノールの夜です。

 

 

 

朝方6時に目が覚め、耳元のスマホから聞こえてきたのは日産の会長、カルロス・ゴーン氏が逮捕されたとのニュースでした。

昨夜からradikoをつけっ放しだったということになりますが、布団に入った時に何を聴いていたのかさっぱり覚えていません。

ただ午前1時まで、大家さんの家に居たことだけは覚えています。

 

 

 

大家さんと私と、お世話になっている空間デザイナーのSさんとですき焼きを囲もう。

そう決まったのは、今年の6月でした。

ところが、夏の暑さもあり、大家さんが熱中症気味になってしまったので、少し涼しくなってからにしようと、

夏の終わりにリスケをしたのです。そして10月、今度は大家さんの心臓の具合がよくないとの事で、また延期になりました。

検査がおわり、異常なしとの朗報を受け、いよいよいよいよ、待ちに待った昨晩、開催の運びとなったわけです。

 

 

 

ちょうどボジョレーヌーボー解禁のタイミングでもあったので、

駅前の酒屋で買ってから行く事にしました。ボジョレーボジョレー...と店内を回っていると、

「お鍋に合うワイン」というものが目に入りました。なんとまあちょうどいいものがあるのでしょうか。

 

 

 

すき焼きだし、こっちのほうがいいじゃない、と思うわけです。

種類豊富な酒屋なんかに行くもんですから、こういう誘惑があるわけですね。まあ楽しい誘惑ではあるのですが。

というかまあ、誘惑というものは総じて楽しいものなのですが。

 

 

 

でもやはりここは「はじめから貴女に決めていました」と、ボジョレーを娶る事にしました。

 

 

 

「いらっしゃい、入って入って」

 

 

 

大家さんはお洒落なベレー帽を被って迎え入れてくれました。テーブルには彩のよいおつまみとサラダがもう用意されており、

真ん中に空きスペースが。なるほどなるほど、ここにすき焼きがくるのでしょう。と、そこで

 

 

 

「すき焼きって言ってたじゃない?でも今日はピザにしたの。あとちょっとで来ると思うわよ」

 

 

 

ボジョレーで正解。たまには誘惑に勝ってみるもんですね。

 

 

 

米が炊けました。今日は雑炊です。

 

 

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