米が炊けるまでの話
溜息山王

9月19日(木)、おーいお茶の夜です。

 

 

9月は時間の流れがとても早く感じる。

もうあと10日ほどで10月ではないか。

この感覚は8月にはなかった。

 

 

「あなたといると時間があっという間ね」という、

誰しも言われると嬉しい文句がある。

9月とはそういう存在なのだろうか。

 

 

友人にため息の似合うやつがいる。

いつも「はぁ」だの「ふぅ」だのいって世を憂いている。

こいつが女であればバストの先端でもつついて

「あっ」なんて言わせてやりたいところだが、

まあそれにしてもなかなか影があって色気のある男なのかもしれない。

 

 

彼にとっての幸福とは、時間が早く流れることであるのなら

この九月は嬉しいものであろうか。

だが別にそうでもないのだろう。

 

 

12もの月があって、四季折々の豊かさがあって、

それでも全てをため息まじりに苦月と呼ぶのでは私には耐えられない。

耐えられないけれど、気持ちはよくわかる。

 

 

先日自転車に乗って隣町に行く際に、

信号待ちでふと道端に視線を落とすと

轢き殺されたアブラゼミがいた。

 

 

もはや原型はほとんどなく、粉々である

それはそれはの様相であった。

 

 

こいつは何日めにふりかけになったのだろうか。

そんなことを思った。

セミは七日の命という。

初日でないのなら、彼らの時間で考えれば恋人もあったろう。

 

 

仮にこいつの恋人が生きていたとして、

彼女はため息をつくのだろうか。

 

 

だがそれはもう一週間ほど前のことであって、

もう誰も苦しまないのである。

 

 

 

おやすみ日本

 

 

 

 

新夜便 comments(0) trackbacks(0)
Comment








Trackback
この記事のトラックバックURL: http://37108.jugem.jp/trackback/753
<< NEW | TOP | OLD>>